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〒507-0032 岐阜県多治見市大日町41−1
弁護士,司法書士,土地家屋調査士,不動産鑑定士,税理士,行政書士など多くの職種の専門家が,相続の相談を行っています。どの専門家に相談したら良いのでしょうか?
「相続の相談」には,次の2種類があります。
以前に「生前の相談」について書きましたので,今回は,「死後の相談」についてです。
相続人が,専門家に相談することとしては,相続放棄の問題は,法律問題です。
相続放棄をするためには,必ず家庭裁判所の手続きが必要となります。家庭裁判所の手続きの代理業務ができる専門職は,弁護士のみです。弁護士に相談するのが良いでしょう。
相続放棄には期限(相続開始を知ってから3ヶ月)がありますので,できるだけ早く相談してください。
遺言の効力・遺留分減殺の問題も,法律問題です。
地方・簡易裁判所の訴訟や,家庭裁判所の調停を必要とすることが多くあります。こうした手続きの代理業務(代理人として弁護士名で通知を出したり,調停に同席する)ができる専門職は,弁護士のみです。弁護士に相談するのが良いでしょう。
特に,遺留分減殺には期限(相続開始から1年)がありますので,できるだけ早く相談してください。
遺産分割の問題と相続税の問題には関連があります。遺産分割のやり方によって,相続税の金額が違ってくるからです。
相続人全員で,相続税の負担の合計額を少なくしたい(相続税を節約したい)というのであれば,税理士に相談するのが良いでしょう。相続人全員が1人の税理士に相談するということになります。
しかし,実際には,相続人全員合計での損得ではなく,自分が取得したい遺産がある,自分にも公平に分けてもらいたい,という希望も生じます。この場合,相続税の節約とは異なる解決を目指さなければならなくなります。税理士は,個別の相続人の希望がかなうように協力してくれる職業ではありません。相続税の申告を税理士に頼むだけでなく,遺産分割の問題を別の専門家に相談することが必要となります。
相続人の間で分け方の意見が分かれることになりますので,相続人全員が1人の専門家に相談するのではなく,相続人各自が専門家に相談すべきことになります。
具体的な相談事項は,
といったものになります。
合意できている場合に「遺産分割協議書」を作成するだけであれば,最も身近につきあっている行政書士,司法書士,税理士でも作成可能でしょう。遺産の中に不動産がある場合には,登記の必要性があるので,司法書士に作成してもらうのも良いでしょう。後の紛争の可能性が残らないようにチェックしたい,遺産の中に不動産はない,顧問税理士の先生は協議書の作成はしない,というような場合には,紛争事例を経験する弁護士に作成してもらうのがいいでしょう。
どのような遺産分割案を提案したら良いのかわからない,自分にとって有利にしたい,公平に遺産をもらうためにはどうすればいいのか,どのように話を進めたらいいのかという点を相談したい場合には,弁護士に相談するのが良いでしょう。
弁護士は,公平に遺産を分けるという観点を持ちつつ,その範囲内で,可能な限り,相談する方の立場に立って,その方にとって,もっとも有利な案を示すことができます。そのためには,遺留分,寄与分,特別受益など法的な専門知識が必要となります。また,弁護士は日頃から当事者では解決できなかった紛争事例を扱っていますので,どのような経緯で紛争が悪化したのか,どんなところが問題となるのか,という経験を他の士業と比べて持っています。円満に,できるだけ紛争を悪化させないように話を進めるにはどうしたら良いかを相談するのも,弁護士の方がいいでしょう。
事業承継を考えなくてよい場合,遺産分割において,紛争を複雑化させる原因となりやすい遺産は美術品・骨董品・不動産です。どんな遺産でも「欲張る相続人がいるために遺産分割が進まない」ということは生じますが,美術品・骨董品・不動産では更なる問題が生じうるからです。
この中で,多くの人に関係があるのは不動産です。
不動産には,預貯金や相場のある有価証券などの金融資産と異なって,次の面倒な性質があります。
(1)物理的に分けにくい
(2)処分できない事情(建物が建っている,住んでいる,事業に用いている)があることも多い
(3)他に権利関係を有している人がいることも多い
(4)潜在的に第三者との紛争(境界など)の可能性を有している
(5)価格が明確でない
しかし,面倒でも遺産分割を無視できない事情として次の性質があります。
(6)価値が高く遺産の主要部分を占めることも多い
(7)登記しなければならず固定資産税がかかる
ちなみに,美術品・骨董品は,(1)(5)(6)の特徴があり,特に(5)について誰を信じて良いのかわからないほどに際立っています。
さて,不動産の遺産分割(遺産の分け方)の問題は,誰に相談すれば良いのでしょうか。
完璧な解決策はありませんが,こうした面倒な性質に直面してどうしていいのかわからないという状況に陥っている場合,その状況を改善していけば,解決に向かいやすいのではないでしょうか。
不動産鑑定士は,物理的に土地を切り分ける場合どのように分けるのが賢い分け方かを知っています。また,不動産の価格,売却見込について冷静な立場での意見を述べることもできます。
土地家屋調査士は,土地を切り分ける方法やその費用を知っています。また,隣地との境界紛争について経験を有しています。
弁護士は,不動産上の他の権利の効力について詳しい法律知識を有しています。
このような理由により,不動産の遺産分割(遺産の分け方)の問題に直面した方には,不動産鑑定士・土地家屋調査士・弁護士が共同で相談に当たる「不動産・相続総合無料相談−多治見」をご利用いただくメリットが大きいものと考えています。
実際に,この不動産を取得していいか,分筆して取得しても問題ないか,という判断には,売れる見込み,利用方法の可能性などが重要ですので,弁護士木下に依頼された案件について,不動産鑑定士の山村に相談して,解決している事例が沢山あります。
ご予約の上,ご相談にお越しください。
不動産であれば司法書士,農地転用など,許認可が必要であれば行政書士に相談するのが良いでしょう。
弁護士木下,不動産鑑定士山村,土地家屋調査士奥村と連携している司法書士事務所,行政書士事務所がありますので,ご紹介することもできます。
(弁護士 木下貴子)
〒507-0032
岐阜県多治見市大日町41−1
(クニタチ鑑定事務所内)
TEL 0572-21-2670
弁護士 木下貴子